更新日:2024年4月30日
コーキングとは?シーリングとの違いや種類、施工方法など詳しく解説
建築やDIYに欠かせないコーキング剤にはさまざまな種類があり、水回りに向いているものや外壁に向いているものなど、種類によって役割が異なります。
目地などの補修のためにコーキングをしたいと思っても、どれを選べばいいかわからない方も多いのではないでしょうか。コーキング剤の種類を間違えると、思ったように施工できないばかりか、水漏れや修理部分の劣化を引き起こすことがあります。
この記事では、コーキングの役割や種類など基礎知識の解説に加えて、使い方や注意点も紹介します。コーキング剤を購入する前にチェックして、失敗を防ぎましょう。
コーキングの基本知識
「コーキングという言葉はよく聞くものの、具体的にどのようなものかわからない」という方に向けて、コーキングの基礎知識を下記にわけて解説します。
- コーキングの役割
- コーキングとシーリングの違い
順番に確認してみましょう。
コーキングの役割
コーキングとは、コーキング剤を使用して建物の隙間や継ぎ目などを密封することをさします。
コーキングは外壁の継ぎ目や浴槽やキッチンの水回り、壁とサッシの隙間などの場所で行われることが多く、コーキングをすることで水の侵入を防ぐほか、壁や浴槽などの建材同士の衝突や摩擦を防ぐ役割があります。
コーキングとシーリングの違い
コーキングとよく似た言葉に「シーリング」がありますが、2つの違いや自分が使いたい用途にはどちらが向いているのか、迷う方は多いのではないでしょうか。
結論からいうとコーキングとシーリングはほとんど同じ役割を持ち、明確な違いはありません。どちらも水の侵入や建材同士の摩擦や衝突を防ぐために使用されます。
建築現場や職人などによってコーキングとシーリングの呼び方が異なることがありますが、基本的には同じ意味をさしています。どちらを使っても問題なく、同義語として捉えても支障はありません。
コーキング剤の種類
コーキング剤にはさまざまな種類があり、それぞれ向いている場所が異なります。失敗を防ぐためには、使用したい場所に合わせてコーキング剤を選ぶことが大切です。
ここからは、一般的に使われることが多い下記の4種類について詳しく解説します。
- シリコン系コーキング剤
- 変成シリコン系コーキング剤
- アクリル系コーキング剤
- ウレタン系コーキング剤
順番に解説します。
シリコン系コーキング剤
シリコン系コーキング剤は、キッチンや浴槽などの補修に使われることが多いコーキング剤です。耐候性・耐水性・耐久性・耐熱性に優れており、コーキング剤のなかでもっとも一般的に使われています。また、リーズナブルで手に入れやすい点も魅力です。
ただし、素材の特性によりコーキング剤の上からの塗装ができないため、外壁の塗装には向いていないため注意しましょう。
変成シリコン系コーキング剤
変成シリコン系コーキング剤は、外壁や板金加工に向いているコーキング剤です。前述した種類と同じ「シリコン系」という名前がついていますが、特徴が異なるため注意しましょう。
変成シリコン系コーキング剤は硬化が早く耐候性があり、上から塗装ができるため、外壁もしっかりと保護できる点がメリットです。ただし、他の種類よりも高価である点と、シリコン系よりも耐久性が劣る点はデメリットです。
アクリル系コーキング剤
アクリル系コーキング剤は、クロスの下地処理や内装の目地など、室内での使用に向いています。水性で扱いやすく、湿っている場所でも施工できる点がメリットです。
しかし、耐候性が悪いことや硬化後に肉痩せしやすいことから外壁での使用には向いていません。外壁に使用した場合、太陽の光でひび割れが生じてしまう可能性があります。
ウレタン系コーキング剤
ウレタン系コーキング剤は、外壁の目地やひび割れの補修に向いています。比較的安価で耐久性が高く、ゴムのような弾力性があるのが特長です。
ただし、紫外線に弱いため、外壁に使用するときは必ず上から塗装する必要があります。また硬化するまでに時間がかかるほか、乾燥するまで紫外線に当てないように気をつける必要があります。
コーキングをする方法
ここからは目地をコーキングしたい方に向けて、施工の方法を紹介します。ただし、あくまでも一般的な方法のため、実際に施工する際は使用するコーキング剤や場所、求める効果などに合わせて行いましょう。
- 古いコーキングを剥がす
まず、カッターを使用して古いコーキングを剥がし、周囲をしっかりと掃除します。コーキングをキレイに施工するために、時間をかけて行いましょう。 - バックアップ材で目地のサイズを揃える
目地の深さが均一になるようにバックアップ材を埋め込みます。シーリング剤を充填しやすくなるように配慮しましょう。 - 周辺を養生する
コーキングする周辺が汚れないように、養生テープやマスキングテープで保護します。隙間がないように丁寧に行いましょう。 - プライマー処理をする
下地として目地が均一になるようにプライマーを塗り、表面を整え、ホコリを抑えます。プライマーにホコリが付着しないように気をつけましょう。 - コーキングガンを使って、コーキング剤を目地に充填する
空気が入ったり隙間があいたりしないように、硬化する前に素早くコーキングガンで充填します。 - コーキング剤をヘラでならす
コーキング剤が平らになるようにヘラで整えます。美しく仕上がるように、素早く丁寧に行いましょう。 - 養生テープをはずす
コーキング剤が硬化する前に、養生テープをキレイにはずします。時間が経つとはずしにくくなることがあるため注意が必要です。
コーキング剤を使用するときの注意点
ここからは、コーキング剤を使うときの注意点を紹介します。主な注意点は下記のとおりです。
- コーキングする前の下準備をしっかり行う
- コーキング剤の種類は場所に合ったものを使う
せっかく施工したコーキングが無駄にならないように、あらかじめ注意点を把握してから施工に取りかかりましょう。
コーキングする前の下準備をしっかり行う
コーキングをキレイに仕上げるには、下準備が大切です。コーキングする場所が汚れているとキレイに仕上げることが難しくなってしまうため、下準備は時間をかけて行いましょう。
まず、古いコーキング剤をカッターでキレイに取り除き、刷毛などでホコリを掃除します。古いコーキング剤やホコリが残っているとキレイに施工できず、新しく充填したコーキング剤も剥がれやすくなってしまいます。
また、コーキング剤を充填する部分はプライマーで平らに整えておくことも大切です。ムラが出ないよう均一に整えることで仕上がりが大きく変化するので、面倒でもきちんと整えるようにしましょう。
そのほかの注意点として、外壁を施工するときは雨の日は避け、目地が濡れていない状態でコーキングすると接着しやすくなります。天気の変化には柔軟に対応できるように、余裕を持って施工しましょう。
コーキング剤の種類は場所に合ったものを使う
前述のとおり、コーキング剤は種類によって特徴があり、向き・不向きの場所がそれぞれ異なります。購入するコーキング剤の耐候性・耐水性・耐久性・耐熱性などが、施工予定の場所に適しているかをしっかりと確認しましょう。
例えば、耐候性が低いタイプを外壁に使用してしまうとすぐに劣化してしまうことがあります。また、水に弱いタイプを水回りに使用すると、せっかく施工しても防水効果が期待できません。
外壁なら上から塗装ができるタイプ、お風呂場なら耐水性に優れたタイプなど、場所と用途に合わせて選びましょう。
まとめ
外壁やお風呂場などの目地を埋めて防水ができるコーキング剤は、種類によってそれぞれ得意な場所が異なります。
この記事ではシリコン系・変成シリコン系・アクリル系・ウレタン系の4種類について解説しましたが、特徴や向き・不向きを見極めて、使いたい場所に合った種類を選びましょう。
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