更新日:2024年12月26日
職場の書類整理のアイデアとファイリングの手順を解説

オフィスにおいて書類整理は業務を効率化する上で欠かせない作業です。近年はパソコンでのデータ管理やペーパーレス化が進んでいますが、いまだ紙の書類を整理・保存する場面も多いのが現実です。この記事では、オフィス書類を効率よく整理するアイデアや実用的なファイリングの手順、書類整理に役立つアイテムを紹介します。
オフィスの書類整理が必要な理由
オフィスにおける書類整理は、単なる整理整頓にとどまらず、企業にとって必要な業務の一環と位置付けられます。書類整理の必要性を2点j解説します。
作業効率がよくなるため
オフィスにおける書類整理は、日々の業務効率を高める上での基本です。書類が常に整理されていれば、必要な情報を必要なときにすぐ探し出せるため、書類を探し回る無駄な時間を削減できます。また、誤った書類を持ち出してしまったり、大切な書類を紛失してしまったりするリスクを減らせる効果もあります。
デスクの上が片付いていなかったり、常に書類が山積みになっていたりする環境では、視覚的にも心理的にも圧迫感があり、従業員にとって負担が大きくなりがちです。同じ業務であっても、デスク周りや書類が整理されているだけで従業員は快適に作業ができ、モチベーションの向上も期待できます。
情報漏えい対策になるため
常に書類整理がされている作業環境を保つことは、情報漏えいの防止にも役立ちます。整理が不十分な状態が放置されている環境では、書類の紛失や保管場所の誤りなどが起こりやすく、結果的に情報漏えいにつながってしまうリスクが高まります。
情報漏えいは、関与した従業員のみならず、企業全体の信頼をも損なう重大な問題です。場合によっては法的責任を問われることもあるため、セキュリティの観点からも書類整理は欠かせません。書類の管理を徹底し、閲覧や持ち出しの制限、適切な保管に関するルールの制定などを行うことで、企業の信頼を失うような事態を回避できます。
オフィスの書類を整理する基本的な手順
では、どのようにすれば効率的にオフィスの書類を整理できるのでしょうか。ここでは具体的な手順を紹介します。
1.全ての書類を取り出す
書類整理の第一歩として、整理するべき書類の全体像を把握することからはじめましょう。まずはオフィス内のキャビネットやデスクの引き出し、ファイルボックスなどに収納されている書類を全て1カ所に集めます。全体の書類の量を目視することで、整理の必要性を視覚的に実感できるため、計画が立てやすくなります。
2.必要な書類と不要な書類に分類する
次に、全ての書類を「必要なもの」と「不要なもの」に分類します。「必要なもの」に分けられた書類は、現在の業務で使用しているものや法的に保存義務があるものなどです。「不要なもの」に分類された書類は、役割を終えたものや、重複している資料などが該当します。判断に迷うものをその都度判断していると時間を浪費してしまうため、「保留」として一時的に分けておき、後でまとめて再度確認する方法が効率的です。
3.不要な書類を処分する
次に、「不要なもの」に分類した書類を迅速に処分しましょう。個人情報や機密情報が含まれている書類は、シュレッダーでの細断や書類溶解サービスの利用などで適切に処分し、情報が漏れないようにします。
漏えいしては困る情報が含まれる書類と、第三者に見られても問題ない書類が混ざっている場合や、どの書類にどのような情報が含まれているかを確認することが難しい場合は、念のためまとめて処理してしまうのが確実です。リサイクル可能な紙類がある場合は、古紙回収業者を利用すると環境への配慮にもなります。
4.必要な書類をフォルダー・ファイルに入れる
「必要なもの」に分類した書類はフォルダーやファイルに収納しましょう。カテゴリごとや使用頻度ごとに分けて保管すると、後から取り出しやすくなります。フォルダーやファイルにはラベルを貼り、中身が一目で分かるようにしておきましょう。そうすることで、紙の書類であっても探しやすくなり、オフィス全体の作業効率が格段に向上します。
5.取り出しやすいようにまとめて保管する
最後に、整理した書類を取り出しやすい形で保管しましょう。よく使う書類は手元に近い場所やアクセスしやすい場所に置き、それ以外のものはキャビネットや収納棚などに保管します。高さ調整が可能な棚や、引き出し式のファイルボックスを活用するなど、誰でも取り出しやすくなるようにすることが重要です。
オフィスの書類管理を効率化するアイデア
書類整理にあたっては、複数の方法を組みあわせて、必要な書類をすぐに見つけられる仕組みを作りましょう。すぐにでも実行できる簡単な整理整頓のアイデアを紹介します。
ファイルに見出し・番号を付けて一目で分かるようにする
ファイルにあらかじめ見出しや番号を付けておくと、どの書類がどこに保管されているかがすぐに分かり、必要な書類をスムーズに取り出しやすくなります。進行中のプロジェクトや商談に関する書類は取り出す頻度が高いため、すぐに探し出せるよう独立したファイルを作成すると便利です。プロジェクトや商談の進行状況といったアクション単位で見出しを設けておけば、必要な項目へすぐにアクセスでき、効率よく業務を進められます。
ファイルが複数にまたがる場合は必ず通し番号を付け、順番通りに並べましょう。このルールを社内で徹底することで、複数人での作業でも、誰もが同じ場所から書類を取り出せるようになり、チーム全体の業務効率が向上します。
平置きではなく縦置きにする
書類は縦置きを習慣にしましょう。平置きにすると下にある書類が埋もれてしまい、下にある書類を取る際に上の書類が崩れてしまいかねません。必要な書類の探しやすさと取り出しやすさの両方の観点からも、書類は縦置きで収納するのが理想的です。
書類収納ボックスやブックエンドのような仕切り付きスタンドを活用しましょう。フォルダーやファイルのラベルを一覧できるようになり、保管中に書類が倒れたり崩れたりする事態も防止できます。書類を立てて保管するとデスク上もすっきりするので、作業環境の改善策としても有効です。
保存期間で分類して収納する
保存期間が決められた書類はそれぞれの期間ごとに分類しましょう。特に帳簿や領収書など、法律上一定期間の保管が義務付けられている書類において有効な整理方法です。1年、3年、5年のように定められた期間ごとに収納しておけば、不要な書類や関係のない書類の混在を防げます。
保存期間が過ぎた書類をまとめて処分する際も、該当する書類が1カ所にまとまっていれば手間がかかりません。保存期間に応じて定期的に書類を整理することで、保管スペースの無駄も削減でき、新たな書類を収納するスペースを確保しやすくなります。
電子データにしてクラウドで管理する
紙のデータをスキャンして電子化し、データとして保存することもおすすめの方法です。特にクラウド型の文書管理システムは、データをクラウド上に保管できるため、アクセスや検索が容易になります。文書のバージョン管理や履歴管理機能があるクラウドサービスであれば、過去の変更内容の追跡や、古いバージョンの復元も可能です。
クラウド型サービスであれば、在宅勤務時や外出時でも書類にアクセスできるのはもちろん、チーム間でリアルタイムにデータを共有できるため、情報共有を効率化できるメリットもあります。書類データはクラウド型サービスは専用のクラウドストレージに保管されるため、大量の書類を管理する利用想定にも適しています。書類の保管場所に困っている場合におすすめです。
外部の書類保管サービスを利用する
外部の書類保管サービスを活用するという選択肢もあります。書類保管に特化したサービスの多くは情報漏えいや災害などのセキュリティ対策を講じているため、安全に書類を保管できます。自社内に機密情報を保管する体制を構築しなくて済む点が大きなメリットです。
また、書類保管サービスによってはオンラインで文書を検索・管理できる機能を提供しており、必要な書類を素早く探し出せます。また、保管期限が過ぎた書類を適切に廃棄するサービスもあります。
オフィスの書類管理を習慣づけるために気を付けること
オフィスの書類管理を効率化するには、書類の置き場所や戻す習慣などを確立することが重要です。以下に紹介するポイントを押さえて、書類が常に整理整頓されている環境を構築しましょう。
置き場所を明確に定める
書類の置き場所を定め、それぞれの部署やチームのメンバーに周知しましょう。書類がどこにあるかが分からなければ、書類を必要とした際に探す手間が増えてしまい、業務効率が低下します。書類の種類や使用頻度に応じて分類し、それぞれに適した保管場所を決めておきましょう。
例えば、頻繁に使う資料は手の届く位置に、長期保管する書類や頻繁には閲覧しない資料は奥に設けた専用の収納スペースに配置するなど、用途に応じた保管場所の選定が重要です。また、書類の重要性や分量などは時と場合によって変わるため、定期的に保管場所や保管方法の見直しを行うことも忘れないようにしましょう。
使用後はもとに戻すことを徹底する
常に整理された状態で書類を保管するためにも、「使用後はもとに戻す」という習慣を徹底しましょう。それが守られれば、書類が散乱することなく整然とした状態を保てるようになります。
まずは、従業員全員に対してルールを周知徹底し、重要性を理解してもらいましょう。しかしながら、片付けが苦手な従業員がいることも想定されます。「もとに戻す」という行為を日常業務の一部として守られるように、あらかじめルールを策定しておくことがポイントです。具体例としては、もとに戻す場所をラベリングで明確にしたり、リマインダーで書類を戻す時間を管理したりする方法があります。「昼休み前に机の上を整頓する」といったルーチンを設定する方法もおすすめです。以上のように、オフィス全体で共通のルールを用意することで、誰が書類を扱っても同じ手順で管理できるようになります。
書類整理に便利なアイテム
整理を効果的に行うために、さまざまなアイテムも積極的に活用しましょう。ここからは、オフィスの書類整理に役立つアイテムを紹介します。
クリアファイル

クリアファイル(クリアーホルダー)は、名前の通り透明な素材で作られたファイルです。視認性が高く、中の書類が一目で確認できる点が特長です。1枚あたりのコストが低いため、プロジェクトやタスクの数が多くても大量に用意しやすいというメリットもあります。色の付いた製品も豊富に市販されているので、用途に応じて色別に使い分けるとさらに整理しやすくなるでしょう。
ただし、クリアファイルは紙を挟むだけの仕組みであるため、中身が飛び出しやすいというデメリットがあります。機密性の高い書類や重要書類を保管するのであれば、クリアーホルダーやリングファイルなど、しっかり書類をホールドできるアイテムを使用しましょう。
「アスクル クリアーホルダー A4 1袋(100枚) スタンダード ファイル オリジナル」は、厚さ0.2mmのしっかりとした厚さのあるクリアファイルです。耐久性があるため、プロジェクト管理から郵送時の書類保護まで広く活用できます。ビジネスにおいて一般的なA4サイズの書類を傷付けずに保管できる、使いやすいアイテムです。
ファイルホルダー

ファイルホルダーは、関連する複数の書類をまとめて整理できるファイルです。薄手のファイルの中にクリップや複数のポケットが付属しているため、カテゴリごとに書類を分類した上で、まとめて保管や持ち運びができます。クリアファイルだけでは管理しきれない大量の書類であっても、ひとつのホルダーにまとめて瞬時に確認できる収納力と使いやすさが魅力です。プロジェクト単位やクライアント別に書類を整理する際に役立ちます。また、インデックス付きのホルダーを使えば、どのファイルにどの内容が分類されているかが一目で分かります。
「アスクル クリアーホルダー A4 1袋(4枚×3セット) 4山インデックス付 ファイル オリジナル」は、サイド部分にインデックスが山ずれで入っている、4枚1セットで使えるクリアファイルです。分類・検索がしやすくなっており、気軽に書類整理をはじめられます。
ファイルボックス

ファイルボックスは、書類やファイルを立てて収納できる箱型の整理アイテムです。主にデスクの引き出しや棚に置いて使用します。複数のファイルや書類をカテゴリごとに分けながら保管できます。書類が倒れてこないため、限られたスペースを有効活用したい場合や、デスク周りの整理整頓が苦手な方に適したアイテムです。
書類の収納に場所を取らない点もメリットです。日常的に使用する書類はもちろんのこと、使用頻度の低い書類や資料の収納にも適しています。
「アスクル ボックスファイル A4ヨコ 頑丈設計」は、耐久性に優れており長く使えるファイルボックスです。傷みやすいボックス正面は折り返しによって補強されています。自立できない薄型のファイルもきれいにまとめて保管できます。
リングファイル

大量の書類をまとめて収納するには、リングファイルの活用が適しています。ファイルの内側に付いた金属製のリングによって書類を固定できるため、一度とじた書類がバラバラになりません。リングの形状には主に丸型(O型)とD型があります。丸型はページをめくりやすく、D型リングは多くの書類を安定して収納できる点が特長です。用途に応じて使い分けられます。
アスクルオリジナルの商品「アスクル リングファイル PP製表紙 A4タテ 丸型2穴 背幅27mm ブルー 青 ユーロスタイル オリジナル」は、A4タテ型で150枚までとじられる大容量のリングファイルです。ファイル内の順番を入れ替えやすく、スムーズな文書管理が可能です。
アスクル リングファイル PP製表紙 A4タテ 丸型2穴 背幅27mm ブルー 青 ユーロスタイル オリジナル
<参考>
まとめ
オフィスにおける書類整理は、業務の効率化や作業時間の短縮につながる重要な業務です。クリアファイルやファイルボックスなど、書類の整理整頓に役立つアイテムが数多く市販されています。それらを活用しながら、整理整頓を社内全体で習慣化して、快適に作業できるオフィスを維持しましょう。


