キーボード全体ではなく一部のキーが反応しない場合、異物混入による接触不良が考えられます。キーボードは隙間が多く、頻繁に使用するキーや配置の近いキーの隙間に、ゴミやホコリ、食べかすなどが入りやすい構造です。

異物混入による接触不良の場合、物理的にはパソコンが壊れていないため、キーボードを掃除することで解決できます。

キーボードの中でも、各キーが独立したメカニカル式キーボードや、キーが薄型で取り外しができないパンタグラフキーボードなど、種類があります。それぞれで清掃方法や使う道具が異なるため、自分のキーボードが何型であるか確認しましょう。

キーボードのうちテンキーが反応しない場合は、「Num Lock（ナムロック）」の状態を確認してみましょう。Num Lockとは、数字入力をするテンキーの切り替え用キーです。主にキーボードの右側に配置されており、オフの状態（ランプが消えている）だとテンキーでの数字入力ができません。なお、テンキーが存在しないタイプのノートパソコンにはNum Lockキーが配置されていません。

外付けのワイヤレスキーボードが反応しない際には、電池切れ（バッテリー切れ）である可能性が挙げられます。電池式または充電式のワイヤレスキーボードの場合、電池交換やバッテリー充電をすることで解決します。特に、長時間の使用や出張など出先で使用する際は、電池や充電の状態に注意してください。

ソフトウェアのエラーによってキーボードやマウスが反応しないケースもあります。前兆として、以下のような症状があらわれます。

• パソコン本体が熱くなる
• 画面の動きが遅くなる
• マウスポインタ―が思いどおりに動かせない

アプリケーションにエラーの原因がない場合、OSのフリーズによってキーボードが反応しない可能性があります。

キーボードが反応しない場合、意外と見落とされがちなのが帯電です。帯電はデスクトップ型でも起こりますが、特にノートパソコンは帯電しやすいので注意が必要です。帯電とはパソコンの内部に電気が溜まってしまうことで、原因は長時間のパソコン使用や内部の汚れが考えられます。また、乾燥する季節に多く、静電気が起きやすい服を着用している際に発生する場合もあります。

なお、パソコンが帯電するとキーボードが反応しないトラブルのほか、タッチパッドの誤作動、OSのフリーズなどさまざまな不具合を引き起こします。

異物混入による接触不良が原因の場合は、キーボードの掃除を行うことで解消します。キーボードの掃除は、ノートパソコンの電源を切りケーブルを抜いて、安全に作業できる状態で行ってください。

小型のブラシやエアダスターを使って、キーボードの隙間に入ったゴミやホコリ、食べかすや髪の毛などを取り除きます。かえって異物が奥に入り込まないように毛先のやわらかいブラシがおすすめす。また、エアダスターは火気の近くで使用しないよう注意してください。

キーの隙間はゴミやホコリが溜まりやすいため、定期的にメンテナンスをして異物が詰まらないようにしましょう。ペットを飼っている方は、より小まめに掃除をすることがおすすめです。

自分のキーボードが、キーが独立した構造のメカニカル式であれば、キーキャップを取り外し、より本格的に清掃できます。ただし、取り外し後も元に戻せるように、正しい配列の写真を残しておくようにしましょう。

＜参考＞

キーボードの掃除方法とは？使えるグッズとともに掃除の手順を紹介

Num Lockはキーを押すことでオン・オフの切り替えが可能です。オン（ランプが点灯している状態）にすると、テンキーが使用できるようになります。

なお、一部のノートパソコンではNum Lockキーではなく、同機能を持つ「Insert/Num Lk」というキーが配置されていることがあります。この場合は「Fn」キーを押しながら「Insert/Num Lk」キーを押してください。

デバイスドライバーが古いとキーボードが反応しない場合がありますが、キーボードドライバーの更新で対処できます。更新の手順は以下の通りです。

1. 「デバイスマネージャー」を開く
2. 「キーボード」の項目を展開し、更新したいキーボードをクリックする
3. 表示された「キーボードのプロパティ」画面からデバイスの状態を確認する
4. 上部のタブから「ドライバー」を開き、「ドライバーの更新」をクリックし、更新を行う

ドライバーの状態は、キーボードの応答に影響を与えます。キーボードドライバーを最新にすることで問題が解消される可能性があるので、ぜひ試してみてください。

ノート型・デスクトップ型ともに、入力システムの不具合が原因となりキーボードが使用できないことがあります。言語設定や入力方式の変更で解決する場合があるので、以下の手順に沿って試してみてください。

1. タスクバーの検索ボックスに「言語」または「入力方式」と入れて検索
2. 「キーボードの設定」を開く
3. 「言語リストを使用します（推奨）」の部分をクリック
4. 「日本語-Microsoft IME」など、「言語リストを使用します（推奨）」と異なる入力方式を選択する
5. パソコンを再起動する

帯電が原因でノートパソコンのキーボードが使用できない場合、簡単な放電作業を行うことで改善する可能性があります。放電とは、パソコン内部に溜まった不要な電気を放出することで、やり方はとても簡単です。

1. パソコンをシャットダウンしておく
2. 電源ケーブルをコンセントから抜く
3. バッテリーを外す
4. 3分ほど放置する
5. バッテリーと電源ケーブルを戻し、パソコンを起動する

ノートパソコンが帯電しているとOSがフリーズすることが多く、高い負荷がかかっている状態です。負荷を減らすために、パソコンをシャットダウンして放電することは有効な対処法です。

あらゆる対処法を試しても状況が変わらない場合は、キーボード自体の交換を検討します。しかし、機器側の問題でなければキーボードを交換しても改善しない可能性があります。

自力での改善が難しい場合は、パソコン修理の専門業者への依頼がおすすめです。プロの修理業者に任せることで、システムの問題や内部の部品が破損しているケースでも適切に対処してもらえます。

パソコンには、「スクリーンボード（アクセシビリティキーボード）」という機能があります。パソコンの画面上にキーボードを表示させ、マウス操作で文字入力ができる機能で、キーボードを使用できない状態でも文字入力が可能となります。

一次的な対策ですが、仕事中や外出先などでキーボードが反応しなくなった際に非常に便利です。いざというときのためにも、スクリーンボード機能の操作を把握しておくことがおすすめです。

スマートフォンやタブレットで文字入力したものを、メール送信やクラウド経由で共有するのもひとつの方法です。パソコンのキーボードが使用できない場合でも、スマートフォンやタブレットを持ちあわせていれば、比較的スムーズに作業を進められ、急いでいる場合にも有効です。

古いモデルのパソコンの場合、キーボードの寿命の可能性も考えられます。

ノートパソコンの法定耐用年数は4年、キーボードの耐用年数は平均5～7年です。ただし、使い方やメンテナンスによりその前後で劣化する傾向があり、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。あらゆる対処法を試しても解決しない場合には、パソコンの買い替えや外付けキーボードの購入を検討してください。