更新日:2025年2月27日
モニターアームの正しい取り付け方は?新入社員研修にも役立つポイント

デスク環境の快適さは作業効率に大きな影響を与えます。モニターアームを使用すれば、ディスプレイの位置を自由に調整できるだけでなく、デスクの作業スペースを有効活用できます。本記事では、モニターアームの正しい取り付け方法を種類別に解説します。新入社員研修の際にも、快適な作業環境づくりの参考にしてください。
モニターアームとは
モニターアームは、パソコンモニターや液晶ディスプレイを机や壁に固定して使用するツールです。通常、ディスプレイは机に直接置かれることが一般的ですが、モニターアームを使用することで、壁面や支柱への取り付けも可能になります。
モニターアームの主な特長は、作業スペースを有効活用できる点や、ディスプレイの角度や高さを自由に調整できる点にあります。これにより、快適な作業環境を整えられます。また、2台のディスプレイを横並びに配置して広い画面環境を構築したり、ディスプレイを横向きから縦向きに即座に切り替えたりするなど、標準スタンドでは実現できない柔軟な配置が可能です。
デスク周りの効率化や美観の向上を求める方にとって、モニターアームは大変有用なツールです。
モニターアームを取り付けるメリット
モニターアームを使用することで、ディスプレイが目線の高さや作業姿勢に合わせやすくなり、首や肩、腰などの負担を軽減できます。この結果、疲労感やストレスが軽減され、長時間の作業でも快適に過ごせるようになります。
さらに、デスク上の作業スペースを有効活用できるのも大きなメリットです。モニターアームを使用すると、デスクがすっきりし、マウス操作がしやすくなるほか、書類や備品の整理も簡単になり、作業効率を高める効果があります。
特に新入社員にとって、快適な作業環境は生産性向上に直結します。慣れない職場で緊張やプレッシャーを感じる新入社員に対して、モニターアームを導入することで集中しやすい環境を整え、効率的に業務を進められる環境を提供できます。
モニターアームの取り付けに必要な工具
モニターアームの取り付けには、ドライバーや六角レンチを使います。使用する工具はモニターアームの種類や設置方法によって異なるため、必要に応じて用意しておきましょう。
ドライバー
モニターに付属している標準スタンドを取り外す際や、モニターアームをディスプレイに取り付ける際に必要です。モニターアームに使用されるネジの規格は、M4×10mm(長さは異なる場合があります)が一般的です。規格に適したドライバーを用意してください。
六角レンチ
六角レンチは、ボルトを締める際に使用します。特にクランプ式モニターアームでは、天板を挟み込むクランプ部分の調整や固定に六角レンチが必要です。多くのモニターアームには六角レンチが付属していますが、六角レンチが付属されていない場合や紛失した際に備え、工具セットを準備しておくと便利です。
【種類別】モニターアームの取り付け方

モニターアームの中には「スタンドタイプ」といった机に直接置いて設置するタイプのほか、机や壁面などに固定して使用するタイプがあり、それぞれ取り付け方法が異なります。什器に設置が必要となる「クランクタイプ」「グロメットタイプ」「壁掛けタイプ」「ポール固定タイプ」の取り付け方法を紹介します。
天板を挟む「クランプタイプ」

クランプタイプのモニターアームは、留め具でデスクの天板を挟み込んで固定するため、穴を開けずに取り付けできます。ほかの種類と比べて手軽で、初心者にもおすすめです。
クランプタイプの一般的な取り付け手順
- デスクのレイアウトや好みにあわせてモニターアームを仮置きする
- 天板の厚さに応じてクランプ部分を調整し、しっかりとデスクを挟み込む
- 締め付けボルトで強固に固定する
天板に穴を開ける「グロメットタイプ」

グロメットタイプではデスクの天板に穴を開け、モニターアームをボルトで固定します。穴を開ける必要があるものの、強固に固定できるため安全性が高まります。特に大型ディスプレイを使用する際におすすめです。
グロメットタイプの一般的な取り付け手順
- モニターアームの設置場所を決めて天板に印を付ける
- ドリルを使って印に従い穴を開ける
- 開けた穴にグロメット用パッドを貼る
- パッドの上からベースを差し込み、ノブやボルトで固定する
壁面に設置する「壁掛けタイプ」

壁掛けタイプのモニターアームは、壁面に直接固定するため、デスクのスペースを最大限に活用できます。ただし、壁に穴を開ける必要があるため、壁の強度や素材を事前に確認しておきましょう。
壁掛けタイプの一般的な取り付け手順
- ディスプレイにモニターアームのブラケットを取り付ける
- 水平器を使い設置位置に印を付ける
- ドリルで壁に下穴を開け、アンカーを差し込む
- モニターアームをボルトで固定し、ディスプレイを取り付ける
支柱に取り付ける「ポール固定タイプ」

ポール固定タイプのモニターアームは、メタルラックや支柱に取り付けるため、壁やデスクに穴を開ける必要がありません。設置位置を簡単に変更できるため、オフィスでも人気です。
ポール固定タイプの一般的な取り付け手順
- モニターアームの設置位置を決める
- クランプまたはブラケットでポールや支柱を挟み込む
- ポールや支柱の太さにあわせて調整する
- ボルトを締めてしっかりと固定する
モニターアームを取り付ける際の注意点

モニターアームを取り付ける際には、いくつか注意すべき点があります。特にクランプタイプのモニターアームは、使用方法に応じて慎重に取り扱う必要があります。
机を傷つける可能性がある
クランプタイプのモニターアームは、デスクの縁を挟み込み、圧力をかけて固定するため、天板に傷やへこみが生じたり、塗装が剥がれたりするリスクがあります。特に柔らかい素材や薄い塗装が施されたデスクでは注意が必要です。
このリスクを防ぐためには、保護シートやクッション材、補強プレートなどを使用することをおすすめします。特に補強プレートは、傷を防ぐだけでなく、圧力を分散させることで天板の歪みやたわみを軽減する効果も期待できます。
適切な長さのケーブルを用意する
モニターアームを設置する際、接続に支障をきたさないために、適切なケーブルの準備が必要です。ケーブルが短すぎる場合、モニターを動かした際に外れてしまう恐れがあります。一方、長すぎるケーブルは絡まったり、モニターアームや周辺機器に引っかかったりします。適切なケーブルを準備するために、以下の点に注意してください。
- モニターアームの可動範囲に見合った長さのケーブルを選ぶ
- ケーブルホルダーやケーブルタイを使用して整理する
- 信号の劣化が気になる場合、高品質のケーブルを使用する
クランプを取り付けられない机もある
デスクの種類や素材によっては、クランプタイプのモニターアームが取り付けられない場合もあります。特に以下のようなデスクは注意が必要です。
- 縁が薄すぎるデスクはクランプでしっかりと固定できない
- ガラス製の天板は割れるリスクがある
- 特殊なデザインのデスクはクランプを取り付けにくい
このような場合には、クランプタイプの使用を避けて、壁掛けタイプのモニターアームを検討するか、設置するデスクそのものを変更することをおすすめします。具体的な対策については、次段で解説します。
机にモニターアームを取り付けられない場合の対処法
クランプタイプのモニターアームがうまく取り付けできない場合の対処法として、以下の5つが挙げられます。
壁やパーテーションに取り付ける
デスクの形状や素材の問題でクランプタイプが使用できない場合は、壁やパーテーションに固定できるモニターアームの活用をおすすめします。特にデスクが壁際に配置されている環境では、壁掛けタイプが非常に有効です。モニターアームを壁に取り付けることで、デスク上の作業スペースが広がるメリットもあります。
ただし、壁掛けタイプのモニターアームは取り付け時に壁やパーテーションに穴を開ける必要があります。取り付け前に壁やパーテーションの強度を確認し、専用のアンカーを使用して安全性を確保してください。
突っ張り棒やメタルラックに取り付ける
ポール固定タイプのモニターアームを使用すれば、床と天井の間で使える突っ張り棒やメタルラックのポール部分に取り付けることが可能です。
突っ張り棒を使用する場合、床や天井の強度が十分でないと落下の恐れがあるため、取り付け前にしっかりと確認してください。また、メタルラックに取り付ける際もポールの太さがモニターアームに対応しているか、ラック本体が劣化していないかを事前に確認しましょう。
スタンドタイプのものを使用する
デスク上に直接置くだけのスタンドタイプを活用するのもひとつの方法です。スタンドタイプはクランプや壁掛けの必要がなく、どのようなデスクにも設置可能な点が魅力です。
ただし、スタンド部分がデスク上のスペースを占有するため、小さなデスクでは作業スペースが減少します。また、大型ディスプレイの場合、スタンドでは安定性に欠ける場合があるため注意が必要です。
グロメットタイプのものを使用する
グロメットタイプのモニターアームは、デスクの天板に穴を開けて固定する方法です。クランプタイプのように取り付け箇所がデスクの縁部分に限定されないため、より柔軟な設置が可能です。
グロメットタイプはモニターアームをしっかり固定できるため、安定性が高いのが特長です。ただし、一度穴を開けたデスクを復元するのは難しいため、慎重に検討してください。
取り付けられる机に買い換える
最も根本的な解決策として、モニターアームの取り付けに適したデスクを新たに購入する方法があります。オフィスや作業環境を本格的に整えたい場合、クランプタイプやグロメットタイプなど、さまざまなモニターアームに対応したデスクの導入を検討してください。
新しいデスクを選ぶ際は、材質や耐荷重、サイズなどの要素を考慮し、自分の作業環境に合ったものを選びましょう。
まとめ
モニターアームの導入は、快適で効率的な作業環境を整えるための有効な手段です。正しい取り付け方法を理解し、デスクに適したタイプを選ぶことで、長時間の作業による疲労を軽減できます。また、新しい環境で作業する新入社員にとっても、モニターアームは快適さと効率を向上させる重要なツールとなり、生産性の向上につながります。





