ソケットレンチは、ボルト・ナット・ネジなどの六角部分にはめる「ソケット」部分と、ソケットを差して回す持ち手「ハンドル」で構成されています。ソケット部分は六角のもの以外に、十二角やヘキサゴン形状があります。

また、ソケットとハンドルが別々になっているため、使わないときに収納しやすい点が魅力です。また、差込角が同じなら、メーカーが違うソケットとハンドルを組み合わせることもできます。

ソケットレンチと混同しやすい道具に、ボックスレンチがあります。ボックスレンチは、ハンドルとソケットが一体になっているレンチのことをさします。一方で、ソケットレンチはハンドルとソケットが別になっており、使用時に組み合わせて使う構造です。

ボックスレンチは一体化している分、ソケットレンチよりも強度が高い特長があり、より強い力を加えるシーンに向いています。ハンドルとソケットを分解できるソケットレンチは、収納しやすいほか、ラチェットハンドルを選べばより作業の効率化を図れます。

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手動で使用するソケットレンチは、さまざまなメーカーから販売されています。ハンドル形状は、ラチェット機構がついたラチェットハンドル、L字型のオフセットハンドル、もっともシンプルな形状のスピンナーハンドルなどがあります。

ソケット部分は、六角ソケット、十二角ソケット、ディープソケット、ヘキサゴンソケットなどがあり、用途に合わせて選ぶ必要があります。

電動ソケットレンチは、電動ドリルに装着して使用するタイプです。ソケットの種類には、インパクト用ソケットやインパクト用ヘキサゴンがあります。

電動ソケットレンチは、手動ソケットレンチよりも強い力を加えられる点が特長です。インパクトドライバーやインパクトレンチなど、使いたい工具に合ったサイズのレンチを選びましょう。

ソケットにはさまざまな形状があるため、用途に合わせて選ぶ必要があります。

ソケットの形状は、六角ソケット、十二角ソケット、クロスビットソケット、ヘキサゴンビットソケットなどの種類がありますが、ボルトの形状が違うため用途に合ったものを選ぶ必要があります。例えば、六角ボルトの場合は六角、十二角、フリーの形状を選ぶと良いでしょう。

「差し込み角」とは、ハンドルとソケットを繋げる部分のことです。差し込み角は、JISやISO規格で定められているため、メーカーが違っても接続できます。ただし、ものによってはがたつきが出る場合があるため、同じメーカーのもので揃えることが望ましいです。

差し込み角には、以下のようなサイズがあります。

• 1/4インチ(6.3ミリ)
• 3/8インチ(9.5ミリ)
• 1/2インチ(12.7ミリ)
• 3/4インチ(19.0ミリ)
• 1インチ(25.4ミリ)

ソケットレンチ用ハンドルの差し込み角サイズと、ソケットのサイズが同じでないと接続できません。購入する際は、使用するボルトやナットのサイズを確認したうえで、ソケットレンチの差し込み角のサイズを選びましょう。

ソケットレンチのハンドルの長さは、スタンダートな長さのほか、ロングタイプやショートタイプなどさまざまな種類があります。

短いものは、長いものと比べてあまり力をかけられない傾向にありますが、狭い場所でも使用できる点がメリットです。

一方で、長いものはしっかりと力をかけられるため、硬く締まったボルトやナットを外すのに向いています。ただ、周囲にスペースが必要になるため、使用したいボルトやナットの状況、周りの環境を考えて選ぶことが大切です。

作業スペースが狭い場合は、首振りタイプのソケットレンチがおすすめです。首振りタイプは、手の届きにくい場所や狭い作業環境でも扱いやすい点がメリットです。

狭い場所ではヘッドが小ぶりなものを選ぶと、より作業しやすいため重宝します。

まずは、ソケット、ハンドル、アタッチメント、ナットやボルトなどの道具を揃えましょう。どのソケットを選べば良いか悩む場合は、いくつか使用頻度の高いソケットがセットになったものを選ぶのもおすすめです。

選ぶ際は、上述したソケットの形状、差し込み角のサイズ、ハンドルの長さをチェックしてください。その際、ソケットとボルト・ナットのサイズがしっかりと合っているか、確認することも大切です。

なお、別途エクステンションバーやユニバーサルジョイントなどのアダプターを組み合わせることで作業効率が上がるため、現場での作業を迅速に進めたい場合は用意すると良いでしょう。

ソケットレンチのハンドルには、ラチェットハンドル、オフセットハンドル、スピンナーハンドルなど種類があります。それぞれ装着方法が異なるため、正しい装着方法を知ってから使用しましょう。

ラチェットハンドルに装着する際は、レバーの向きが「締める」方向に切り替えられているか確認してください。ラチェットハンドルは、レバーの向きを変えることで、「締める・緩める」の方向を切り替える仕組みです。

また、ソケットがボルトやナットにしっかりとはめ込まれているかも確認しましょう。

最初にある程度ボルトやナットを手で締めてからソケットレンチを使用すると作業がスムーズです。最初からレンチを使って締めるより硬くなるまで手で締めたほうが早く作業がおこなえます。

また、ソケットレンチを使用する際は、ハンドルをしっかりと握り、適切な力でボルトを締めるようにしましょう。

ソケットレンチは、ハンドルとソケット、ソケットとボルト・ナットのサイズが合っていないと上手くはまらず、がたつく恐れがあります。特に、ソケットとボルト・ナットのサイズが合っていないと、ソケット部分やボルトやナットの角が丸まってしまう可能性があるため注意しましょう。

また、力を加える前には、ソケットがボルトやナットにしっかりとはめ込まれるかどうか確認することも大切です。

工具の許容範囲以上のトルクをかけて使用すると、工具が壊れてしまう恐れがあります。適切なトルク(回す力)をかけて使用することを徹底しましょう。

ハンマーで叩く、無理な力を加える、パイプを繋げて使用するなどの行為は、レンチが壊れてしまう原因になり得るため避けてください。錆びていて思うようにナットやボルトが動かない場合は、無理に力を加えるのではなく、潤滑剤を使用するのもおすすめです。